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ゴミの問題やペットの問題などはその典型例である。
管理組合組織の運営には、いろいろな実務的な問題が伴う。
そうした実務的な問題に取り組む力が、極めて弱い実情がある。
巨額の費用が動くのに財務会計面への対応が弱い、組織運営に応用するIT化の方法が確立しない、情報伝達機能を担う広報の手法がまったく未開拓のまま放置されているなど、実務面の対応能力がかなり弱いことは否定できない。
総会民主主義を標梼する区分所有法の理念を実行しようとすれば、どこのマンションにも区分所有者数に対応した集会スペースが必要だが、そういう例はほとんどないに等しい。
過去の管理組合運営文書を保存する場所さえ確保されていない。
分議マンションの共用スペースは利益を生まないから、こうした管理組合活動のための共用スペースが極めて貧しい実態がある。
こうしたことばかりを書くと、話が暗くなってくる。
どうしたらいいかを考えなければならない。
管理組合という組織を生かす発想はいくつもある。
その要点を挙げておこう。
日本のマンション管理は、これまで区分所有法を唯一のよりどころとして年月を重ねてきた。
しかし、その区分所有法には、いまでも「マンション」という言葉が出てこない。
マンション管理の議論が、長らくこうした法律中心の側面でだけ展開される状態を続けてきた結果、法律が想定していない課題の多くには、いまもって答えが出されていない。
法律偏重の発想から一日も早く脱却することが、管理組合活性化の手がかりとなる。
管理組合は、それぞれのマンションの全貌を視野に入れなければ、望ましい運営ができない。
もっと自分のマンションに興味をもち、全体像を知ることが、大事な意味をもつ。
かつて「ドア一枚閉めさえすれば、わずらわしい近所づきあいをしなくてもすむ」のがマンションのメリットだ、と考えられた時代があった。
しかし、マンションは床一枚壁一枚を隔てて生活条件を共有する場所だ。
隣に住む人の名前も顔もわからなかったら、ホテルに泊まっているのと同じになる。
今日の世相を考えれば、近隣コミュニケーションの確保によって安全な生活を実現する可能性を再認識する必要性は、ことのほか大きい。
この意味で、同じところに住む人同士の接触を望まないような人は、マンションではなく一戸建て住宅のほうを選ぶべきだといえる。
近隣住戸交流の充実によるコミュニティ実現の可能性は、二戸建てよりもマンションのほうが大きいだろう。
おそらく現在の管理組合活動で例外なくもっとも弱いのは、広報だろう。
管理組合が何かを知らせる。
という情報発信機能を果たさないから、組合員は何もわからなくなる。
わからないことは、理解できない。
理解できないことには、関心がもてなくなる。
関心をもでなければ、協力しなくなる…。
この悪循環が、全国の管理組合を覆っている。
「法律や標準管理規約に広報についての具体的なことは一字も書かれていないから、やらなくていい」といった認識では、その管理組合は今後に希望がもてないだろう。
広報は、特殊な難しい課題ではない。
掲示板の活用や各戸への文書配布で管理組合が活性化する効果が、もっと注目されていい。
そうはいっても、管理組合が直面する問題は年ごとに難しくなっていく。
専門家がいない素人集団である管理組合の宿命を考えると、こうした専門性の高い問題にどこまで対応できるかということは、よく考えておくほうがいい。
要するに、わからない問題があったら、どこへ聞いたらいいか、という相談先を確認しておくことに尽きる。
マンション管理についての信頼できる専門家はそんなに多くないことも、ぜひ考えておくべきだろう。
管理組合がわからないことを確かめる情報源として、一般的なものは本しかない。
現在、管理組合向けに市販されている新聞や雑誌はないからだ。
セミナーや講習会は昔に比べれば多いが、内容に偏りがあるし、総論の域を出ない。
マンションごとの個別事情に対応した情報入手法としては、相談はいちばん効率がいい。
ただし、聞き方次第で効果が決まる。
自分の管理組合だけで望ましい答えがみつかることは、滅多にない。
同じ問題に共通して直面するほかの組織とコンタクトすることの効果は、これからますます大きくなるだろう。
新築分譲段階でほとんどもう決まっている分譲マンションの住みよさの担い手は、管理組合である。
そのことは、法律や標準管理規約などでもはっきりしている。
だから、管理組合は新築分譲マンションが竣工して売り出された時点から生まれているはずの組織だ。
少なくとも、理詰めで考えれば、そうなる。
しかし、実情は微妙に異なる。
新しいマンションが竣工して売り出された当初の段階で、この理店どおりに管理組合が実質的な組織として成り立つための基本的な条件が、当の管理組合自身によってつくられているわけではないからだ。
実際には、管理組合ではなく、売り手によって用意されていることが多い。
あまり気づかれることがないようだが、この実情を知ってその意味を考えておくことは、決して無駄ではない。
管理規約・管理費・修繕積立金・委託先管理会社・長期修繕計画…管理組合に限らないが、組織が組織として成り立つためには、一定の基本条件が必要になる。
組織の運営が無原則にならないようにするためのルール、そのルールの実行条件を確保するための費用をまかなう経済条件などが、その典型だ。
こうしたものがきちんと揃っていないと、組織は組織として存立できなくなる。
まして、管理組合のような不動産所有者が多数にのぼる団体では、そうしたことがとりわけ大きな意味をもつ。
それなら、そうした組織成立のために欠かせない基本条件は、いったい誰がどういうふうに作るのかという点を、確かめておかなければならない。
ところが、管理組合はその点で極めて特殊な事情を、たくさん抱えている。
法的な意味では、複数の区分所有者がいればそこに管理組合が存在しているとみなされるのだが、だからといって、実質的な組織が活動できる状態になっているわけではない。
売り出された住戸の購入者が全部揃わないと、全メンバーが確定しないからである。
一戸のマンションなら、住戸の購入者が一名いて、その購入者が区分所有者となるから、この却名が管理組合のメンバーになるわけだ。
もし、このマンションの却戸が即日完売すれば、管理組合は新築分議当初の段階ですぐ誕生することになる。
しかし、すべてのマンションが即日完売するわけではない。
即日完売でなければ、全戸が完売されるまで実質的な意味での管理組合は生まれない状態になる。
全戸完売まで1年かかるとすれば1年間、そのマンションの管理組合は活動できない状態が続くわけだ。
管理組合という組織には、法制度の概念とは別次元の現実的な事情で、実質的な組織となるまでに大なり小なりの日数がかかるという宿命があることを考えなければならない。
もうひとつ、考えておきたい点がある。
あらためていうまでもないことなのだが、そのマンションで隣り合って住むことになる区分所有者たちは、もともとは見ず知らずのアカの他人同士だったはずである。
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